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Musician / Scribble Island Curator

Thursday, 23 July 2009

Can you hear me, major tom?

映画『ムーン』を観ました。デヴィットボウイの息子であるダンカン・ジョーンズが監督をしている期待作です。まず感想から言うと、この映画は、観終わった後にいい意味で考えさせられ、いっぱい語りたくなるような作品でした(なので、いっぱい語ります。*これから観る人は読まない方がいいかもしれません)。舞台設定が月面基地という限定された空間と実際の”登場人物”が主人公のサムと彼のクローン、ロボットのみというシンプルな構成でいながら、スリリングにストーリーを展開していくあたりは、監督のセンスと力量をとても感じました。一応スリラー的なふれこみで宣伝されていたけど、僕には哲学的にも思えたし、”ポストヒューマニズム”的なメッセージ性や未来への問題提起が随所に組み込まれていたと思います。でも全体的にはそういった壮大になりがちなテーマを前面に押し出さず、コンパクトにかっこいいイギリス映画(製作)に仕上がっているのが、この映画の魅力のひとつだと感じました。(予算もそれほどかかって無さそうだし。)
主人公が地球に住んでいる奥さんのテレビレターを観ているシーンなんかは特に、監督の父親デヴィットボウイの曲『スペースオディティ』を想像させ、親子の世界観も確信的ながら自然に投影されていると感心してしまいました、、、あと印象的だったのは、サムと人の感情を持ったかのようなロボットとの哀愁が漂う”会話”や、彼の記憶をインプットしたクローンとの友情にも似た奇妙なやりとりが、宇宙という究極に孤独な空間の中で、本来人間が持っているコミュニケーションの本質を浮き彫りにし、問いただしていたような気がしました。全然知らないまったくの他人よりも、自分が"心"を通い合わせていると感じているロボットとの一方的なコミュニケーションの方が、環境や場合によっては快適であったり、より機能的かもしれないわけで、(実際老人ホームや養護施設、病院ではこうしたことがすでにおきていると聞きます。ある意味、自分達がしている普段のメールでのやりとりもそうかもしれません、、、)こうして僕もブログしてるけど、結局のところ”独り言”であり、コンピューターを媒体としている限りはロボットが書いていても誰もわかりません。自分の過去の記憶を完全に持ったクローンでも内容はたぶん同じになるわけで、そうなるとどっちがオリジナルの自分かもう解らなくなってくるけど、、人間のアイデンティティーそのものについても考えさせられた作品でした、、、この映画かなり好きです。




Wednesday, 22 July 2009

September 1951

コリンデールにある大英図書館にリサーチの仕事で行ってきました。


キングスクロスにある本館とは違い、こっちは新聞だけに特化したライブラリーで、タイムズやガーディアンといった全国紙から大衆紙のサンや地方紙まですべて保管しています。その資料の数はおよそ97万部! 現存している一番古い新聞で1801年から。マイクロフィルムでは1750年ぐらいから記録を保存。ちなみにその頃の日本はもちろん江戸時代で、新聞がまだ紙媒体ではなく瓦版といった木製の版画が使われていたみたいなので、その資料の歴史の古さが伺えます。



館内にあるデジタルアーカイブのほとんどが1990年代以降で、探していた記事が1950年代の為、マイクロフィルムの手作業で
思わぬ大苦戦を強いられることに、、、ネットで簡単にデータが検索できると思っていたのに、、、



いろいろ読んでいると、当時の文化を象徴するニュースや広告が出てきたので、すこし寄り道してみました。


意外と日本のニュースが現在よりも多く掲載されていました。(ほぼ連日)時代背景を考慮すると当然そうなのかもしれないけど、、、
マッカーサー曰く『日本はアメリカとその同盟諸国の主要な兵器庫の一つなれる』らしいです。当時の日本への世論が垣間見れます。


サンフランシスコ平和条約(写真上)。ここから後の日米安保条約につながり、現在の"日米関係"に、、今回は黒澤明が羅生門でベネチア映画祭の金獅子賞を受賞(1951年9月10日)したことについてリサーチしていたのですが、同時期に日本が大激動していたこともあり、結局、氏の受賞についてのレビューはどの新聞でもほとんど見当たりませんでした(わずかながらガーディアンで掲載)。残念だったけど、戦後6年目のあの時代に日本人初のグランプリを獲得し、世界の舞台へ颯爽と登場した黒澤明と国際社会へ復帰する兆しをなんとか見せ始めた日本が、偶然か必然的なのか不思議とリンクしていて、とても興味深かったです。






Sunday, 19 July 2009

BBQ in Bethnal Green

元フラットメートのたえこちゃん(写真上左)の送別会をしました。同じロンドンという異国の”屋根”の下で共に生活してきた友達が日本に帰るというのは、いつものように寂しいことです。ついこのあいだ帰国した彼女のボーイフレンドの圭介と僕は10年ぐらいフラットシェアをして、バンド活動を共にしていました。お互いよくけんかもし、(まあ95%は俺の方が悪かってんけど、、、)くだらないことでよく笑ってよく遊び、無い知恵を絞り合って数々の生活のピンチ?を切り抜け、そしてともに成長し、彼の普段の生活から人生で大切なことをたくさん学びました。彼との出会いがなければ、今までのこのロンドンで音楽活動を含めた日々のサヴァイブは到底できなかったと思う。圭介にかぎらず今日集まった仲間(来れなかった人も)や、今は日本に住んでいる友達とのかけがえのない出会いと共感が、波瀾万丈のこの街の生活の大きな心の支えになってきました。けっして楽しいことばかりの海外暮らしではないので、、そしてこれからも自分がどこに住んでもそれはずっとそうだと思う。たえこちゃん、日本に帰ったら圭介と一緒になんか美味いもんでも食べに行こ!!!、、、でも、



『天気が悪くてめしのまずいロンドンで食べるバーベキューが一番美味ない?』







Friday, 10 July 2009

Traveling like a ghost

バービカンセンターの地下駐車場で誰かのエキシヴィジョンがひっそりと催されていました。
saw an exhibition in a car park of Barbican centre.

Graeme Millerというアーティストがやっているサウンドインスタレーションで、タイトルは "Bassline"。並べられたプロジェクターにロンドンの街の
ランドスケープが移り変わりフェイドインしていき、歩きながらその映像を観ていくというとてもシンプルなショウです。

It's a sound installation called "Bassline" that Graeme Miller is doing. the exhibition is very simple, there are about 15 projectors displayed, each of them shows the landscape of the town in London which keep changing its image...

設置されたスピーカーから17世紀イギリスの作曲家 ”ヘンリーパーセル”の曲を基にして作られたというダブルベースのソロが駐車場内に響きわたり、
アコースティックな低音と古典的な旋律が、暗がりの空間と映像に不思議な雰囲気を醸し出していました。

and the sound of upright bass solo from the speaker reverberates in the dark space which creates kind of mysterious atmosphere.. the solo bass line based on a work of Henry Purcell underlines the space too...

写真では映像は見れませんが、それを観ながら地下駐車場内を歩いていると自分がゴーストにでもなってロンドン中を探索しているような感覚になります。
音響と空間がスマートに活かされたエキシヴィジョンでした。

You can't see the pictures clearly, but if you are in there and walk around in the car park, I thought you feel like you are a ghost frying and traveling around in London... I enjoyed it very much!







Tuesday, 7 July 2009

"Just for the record"

エンジェルのエセックスロードにあるレコード屋、”ハッグルヴァイナル”に立ち寄って来ました。

この店にある膨大な音楽のジャンルと貴重なストックはロンドンのレコード屋の中でも秀逸で、特にジャズ全般とラテン、50〜70年代のサウンドトラック、
60年代のサイケが充実しています。気取らないリラックスした雰囲気がとても心地よく、

以前はよくこの棚の下に積まれたレコードの中から掘り出しものを求めて床に座り込み、時間が経つのを忘れて宝探しをしていました。

オーナーのリン(写真上)。とにかく話好きでとても気さくなおじさんです。相変わらずマイペースな人で、自分の聞きたいレコードをかけては(時々びっくりするぐらいの大音量)、それらをスリーブに戻さずいつものように放ったらかし、、、僕が見つけてきた掘り出しものをすこし悔しがりながらも『これはいいレコードだ。おまえは良い買い物をした!』と言ってよく褒めてくれたのを覚えています。今日はジャズとニューオリンズについて延々と熱く語っていました。そんな彼とのやりとりが楽しくてこの店に通っている人も沢山いると思う。最近ロンドンもレコード屋が減ってきて良い店も少なくなってきたが、こういったオーナーの趣味や人柄が滲みでてる店にはずっとこのまま残っていて欲しいし、そうあるべきだと思います。最近レコードを買わなくなった自分が言うのもなんだけど、、、まあリンにとってはそんな僕の気持ちや世の中の流れなどはまったく関係のない話で、毎日ここで好き放題レコードかけているんだろうなー、、、今年の10月に公開されるイギリスのコメディー映画 "Just for the record" でこの店のシーンが出てくるみたいです。機会があれば観て下さい。この映画はこの映画で面白そうです。